健康診断で効率的に社員の健康を向上させる方法
はじめに
社員の健康診断を行う際にこのような悩みはないでしょうか
- 社員が健康診断を受けてくれない
- 有所見の社員が病院を受診してくれない
- 社員の健診数値が全然改善しない
これらの悩みは少しの工夫や仕組みづくりで劇的に改善するかもしれません。
社員が健康診断を受診し、積極的に健診結果を改善させるならば、さまざまな疾病リスクが下がりより多くの人が長く健康に働ける会社になります。
今回は「いわみ産業医事務所」が提案している健康診断の「生産性向上テクニック」を紹介したいと思います。
健康診断予告メール
体脂肪率を下げるために運動を続けたり、食事に気をつけることを継続するのは非常に高いモチベーションと努力が必要です。特に健康診断で引っ掛かるような方(失礼)にとっては非常にハードルが高いです。それでは少しでも運動や食事改善に意識を向けてもらうにはどうしたら良いでしょうか?
そこで活用しているのが【健診予告メール】です。
① 健診項目に引っかかった従業員をリストアップします。
② 健診予定日の2ヶ月前に健診日程や「今から努力して間に合うこと」を人事/総務部から対象者にメール送信します。
③ 健診で悪い結果を見たくないので対象者は短期間ではありますが、食生活や運動に気を使うようになります。
④ 2ヶ月間、気をつけるだけで健診結果は改善します。
⑤ 健診結果が良くなった人に対しては励ましの言葉やメッセージカードを送るとモチベーションが湧きます。
⑥ この短期作戦が成功すると多くの人が健診前に努力をするようになります。そうすることでプラスのサイクルが回り始めます。
この方法は健康改善の根本的な解決にはなっていないかもしれませんが、短期間でも健康努力をする人を増やすことができます。
長期的に人の行動を変えることは非常に難しいです。しかし、短期ならより確実に行動変容させることができます。
オンラインで特定保健指導義務化!
特定保健指導は40~74歳までの従業員の中でメタボリックシンドロームのリスクが高い人に対して行う健康指導です。保健師や栄養士が継続的に健康プランを作って支援することでより肥満から脱却することを目指します。
ただ、面倒臭い、面談を受ける時間がないなどの理由で後回しにしてしまう従業員も少なくありません。
これを解決する方法がオンライン特定保健指導です。オンラインでの特定保健指導はコロナ禍をきっかけとして多くの健康保険組合で行われるようになりました。わざわざ対面で面談の機会を作ると従業員が持ち場から離れなければいけません。外出が必要になる場合などは非常に億劫に感じるかもしれません。
一方でオンラインの場合は面談の直前まで仕事をすることも可能です。上司が面談対象従業員のスケジュールを把握して仕事やプロジェクトの合間を縫ってオンライン面談を受けさせることができます。気軽に受けられるオンライン面談を上司による指示で受けることによって特定保健指導を「義務化」することができます。
いわみ産業医事務所では事業所様の管理監督者の方々とコミュニケーションをとり、健康保険組合が実施するオンライン面談の普及に努めております。
プロジェクトの切れ目を狙う!
従業員の中には「プロジェクトが忙しいから健診や面談にはいけない。」という人がいます。確かに重要なプロジェクトが迫っている時は健診であっても抜けることは難しいでしょう。
そこでプロジェクトの区切りの時期を上長、人事・総務部が共有できればひと段落した状態で健診や面談に繋ぐことができます。
共有の方法は様々あります。人数が少ない事業所だと、健診の未受診者のプロジェクト予定をホワイトボードで記録しているところもあります。
もっと事業所規模が大きいところですとオンライン上で従業員の工程スケジュールを把握して自動で健診の受診勧奨をしているところもあります。いずれにせよ、プロジェクトの期間を把握して、区切りのタイミングで受診を勧めることが受診率改善の方法の1つです。
まとめ
企業の中には就労規則に、健康診断を受診しないと懲戒処分となる条項を記載するところもあります。確かに従業員に必ず受診させるためには就業規則は非常に強い力を持ちます。
しかし、「北風と太陽」のように従業員が自発的に受診、健康改善をしようと思える環境を整えることによって、健康診断の効果がより一層高まります。
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