従業員が50人を超えたらやらなければいけないこと

目次

はじめに

従業員が50名を超えると、企業にはいくつかの重要な義務が発生します。これらの義務をしっかりと理解し、適切に対応することで、労働環境の改善や労働者の健康管理を効果的に行うことができます。以下では、従業員50名以上の企業が行わなければならない5つの項目について詳しく解説します。

1. 産業医の選任と労働基準監督署への書類提出

従業員が50名を超えた場合、企業は産業医を選任しなければなりません。産業医の選任後は、所轄の労働基準監督署に以下の書類を提出します:

  • 産業医の選任報告書
  • その他関連書類

詳細な書類はこちらからダウンロードできます。

産業医が行うこと

産業医の役割は多岐にわたります。主な業務は以下の通りです:

  • 衛生委員会への参加: 毎月の衛生委員会に参加し、労働環境の改善について議論します。
  • 職場巡視: 毎月1回の職場巡視を行い、安全衛生上のリスクを評価します。
  • 健康診断結果の判定: 従業員の健康診断結果を評価し、必要に応じてフォローアップを行います。
  • ストレスチェックの判定: ストレスチェック結果を分析し、必要な対策を提案します。
  • 休職・復職の対応: メンタル不調や傷病による休職・復職のサポートを行います。

2. 衛生委員会の設置と月1回の開催

従業員50名以上の企業は衛生委員会を設置し、月に1回開催する必要があります。衛生委員会の目的は以下の通りです:

  • 労働災害や健康障害の防止
  • 労働衛生に関する取り組みの企画・決定

衛生委員会のメンバーは、統括安全衛生管理者、衛生管理者、産業医、労働者代表などで構成されます。委員会で決定した事項は従業員に周知し、議事録を3年間保存する義務があります。

3. 健康診断結果の労働基準監督署への提出

従業員50名以上の企業は、健康診断結果を労働基準監督署に提出する必要があります。提出は電子申請が可能で、申請書のデータはこちらからダウンロードできます。

4. ストレスチェックの実施

ストレスチェックは、従業員50名以上の企業に義務付けられています。ストレスチェックの目的は、個人および集団のストレス状況を把握し、職場環境の改善に役立てることです。ストレスチェックは外部の検査会社に委託するか、厚労省の無料サービスを利用することができます。詳細はこちらから確認できます。

まとめ

これらの項目を適切に行うことで、企業は労働者の健康と安全を確保し、働きやすい職場環境を整えることができます。従業員が50名を超えた際には、ぜひこれらの点に注意し、適切な対応を行いましょう。

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この記事を書いた人

株式会社いわみ産業医事務所 代表取締役・産業医 岩見謙太朗

北海道大学医学部を卒業後、日本最北端の地、稚内にて臨床医として研鑽を積む。
製造業系、福祉系の事業所にて産業医実務を積み、株式会社いわみ産業医事務所として独立。産業医業務のみならず健康経営コンサル業務、人材採用コンサルティングを行う。僻地の病院の人材採用を倍率1倍以上にV字回復させた実績もある。

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